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その恋を残して
第6章 怜未は、ここにいるよ
※ ※
「…………」
俺は声の方向に顔を向けた。
そこには――怜未の姿があった。
「アレ――来たんだ?」
嬉しそうに顔を綻ばせ、そう言ったのは内田だった。奴は怜未の方へと近づいてゆく。
俺は、それを止めようと内田に手を伸ばすが――
「くっ――!」
内田の仲間たちは、それを阻むように、俺の身体を捉まえていた。
「は……放せよ」
内田が怜未の元に迫るのを見ながら、焦りを滲ませる俺。
だが、内田の仲間たちはニヤニヤと薄ら笑みを浮かべたまま、そんな俺を眺めている。
しかし、次の瞬間だった――。
ゴンゴン……ゴンッ!
――俺の背後でそんな音が響いた後、何故が俺の身体は解放される。
俺が振り返ると、頭を抱えて蹲る三人の傍らに、バットを手にして立つ一人の男がいた。