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その恋を残して
第6章 怜未は、ここにいるよ
※ ※
怜未が何故、体育館裏に現れたのか――その種明かしを俺は、田口から聞いた。
田口は昼休みの俺の様子を気にしていた。だから、体育館裏に向かう俺を見て変に思い、怜未に「様子を見に行かない?」と、声をかけたという訳だった。とても、お節介な奴だと思うが、田口のお節介はそれだけに留まらない。
怜未に向かって「帆月さん、コイツの手当してやったら?」と言ったかと思えば――その一方で、「イベント発生だな」と、小声で俺に耳打ちをする。そして、当の自分はさっさと部活に行ってしまったのだった。
まあ、もちろん――今回の件で俺が田口の奴に、感謝をしてない、と言えば嘘になるけども……。