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その恋を残して
第6章 怜未は、ここにいるよ

    ※    ※


 一夜が明け、今日は金曜日であった。

 朝、いつものコンビニに現れた彼女は俺を見て微笑む――。

 それを見た俺は――彼女が蒼空であると知った。今日、現れるのが蒼空であると認識しているからではない。俺は、その顔と佇まいを見て、それを実感できていたのだ。

「おはようございます。酷いですね、顔」

「ああ、これは――」

 俺が顔の怪我について説明しようとすると――

「怜未から聞いて知っていますよ。いけませんよケンカなんて」

 珍しくキュッと眉間にしわを寄せ、蒼空は俺を睨んだ。

「……すいません」

 内田の件について、何処まで聞いているのかは知らないが、それは蒼空の言う通りだったので、俺は素直に謝った。

「許してあげます」

「どうも」

 俺たちは、顔を見合わせて笑った。

「他のことも聞いていますよ」

「他のことって――?」

「松名くんが、怜未に言ってくれたこと……」

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