この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
その恋を残して
第7章 眠り姫……か

「……」

 風邪か。昨日まで元気だったのにな。だけどまあ、沢渡さんもついているし大丈夫だとは思うけども……。

 そう思いつつも俺は何気に、沢渡さんが『怜未さま』ではなく『お嬢さま』と呼んだことが、少しだけ引っかかっている。以前ならともかく、事実を知っている俺に対しては……。

 そんな風に気になりなりながらも、俺は一人、学校に向かって歩き始めた。


 蒼空も怜未もいない一日。それは俺にとって、想像以上に空虚なものとなった。やっぱり、心配。授業が進むにつれ、そんな気持ちが膨らんでゆく。

 それは徐々に――逢いたい、という気持ちに変化していたのかもしれない。

 授業が終わった。

「オイ――松名?」

 いち早く教室を出る俺に、田口が声をかける――が、振り返ることもせず、俺は昇降口へと向かう。

 校舎を出る。すると、校舎前のロータリーの傍らに見かけぬ真っ赤なスポーツカーが停車してるのを目にした。他の何人かの生徒たちも、関心を示し群がりつつある。

 誰の車かと思ったが、急ぐ俺は車を横目に、その前を走り去ろうとしていた。だが、その時である。


 バタン――!


 車から降りて来るその人物を見て、俺は目を見張った。


「誠二……さん?」

/184ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ