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その恋を残して
第1章 好きにならないで!
どちらにせよ、納得はいかないが一方で、俺は少しホッともしている。
俺は帆月に対して、一定以上の距離を置く覚悟をしていた。その為の手段が、逆告白という訳であるが。どうも、それをする必要がなくなったと感じていたのだった。
誤解されない内に言うが、別に帆月のことが好きだからという訳ではない。単なるクラスメイトとしてでも、絶縁を避けられるなら、その方がいいに決まっている。
俺の席から見える帆月は、ストレートの黒髪と白い左頬の一部だけ。やはり綺麗だな――と、俺は素直に感じていた。
「松名ぁ!」
再度、木崎先生の声が轟き、俺はビクリと肩をすぼめる。