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その恋を残して
第7章 眠り姫……か
この屋敷に外門は無い。敷地は低い柵で囲まれているが、正面の入口は解放されている。
俺は、敷地内に足を踏み入れる。右側の庭先――沢渡さんの車の横に、誠二さんのスポーツカーが停まっているのが目についた。
「……」
俺は屋敷の前に立ち、インターホンを鳴らす。程無くして――
『――はい』
との応答。沢渡さんの声だ。
「突然すいません。松名です」
『……少々、お待ちを』
暫く待っていると、扉が開き沢渡さんが姿を現した。沢渡さんは、自ら外に出ると俺の前に立った。