この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
その恋を残して
第1章 好きにならないで!

「なんで、そんな風に聞くの?」

「私って知らない間に、迷惑をかけていることがあるので……」

「知らない間に?」

「朝……私に何か言いかけてませんか? もしかしたら私、松名くんに何か……」

 そこまで言い、帆月は困ったように口をつぐんだ。その彼女を見て、俺は疑問が深まってゆくのを感じている。

 『知らない間』って、どういう意味? 昨日の俺への言葉を、今目の前にいる帆月は『知らない』? 否、そんなこと、ある訳がない。そうは思うものの、一方では、帆月の態度に違和感を覚える俺もいる。

 しかし、目の前の帆月は、本心を話しているように思えた。だから、少なくとも俺を騙したり辛かったりしている訳ではない筈だ。

 もしかしたら、帆月は何か特殊な事情を抱えているのかもしれない。漠然と、そのように考えた俺は、まず言っておく必要があった。

「変じゃないよ」

 先に問われた質問に、俺はそう答える。

 彼女が何らかの問題を抱えて、苦しんでいるとするなら。それ故に、自分が変に見られていると思い込んでいるのなら。少なくとも俺は、そう答えることを躊躇してはならないと思ったのだ。

「全然、変じゃないから」

 すると、帆月は俺に微笑みを返す。

「よかった」

 その笑顔は、とても眩しいものだった。

/184ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ