パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第2章 好きでは、ないから……

　つまり、帆月は俺に（或いは異性全般に）好意を抱かれることを拒絶している。もちろん、その理由はわからない。だが、俺が帆月に好意を抱くことが、彼女に何らかのストレスを与えているのであれば、その部分は解放してあげたいと思うのである。

　大体、俺が彼女に恋愛的な意味で好意を抱いている事実はない。それは、何度も確認した筈だ。帆月のストレスが、その誤解から生じているものならば、それは即座に取り除くべきじゃないだろうか。そう俺は考えたのだ。

　他人からすれば、本当に好きではないのかと、疑問に思われるかもしれない。それは、流石に無理もないことだと俺自身が思う。ここ数日の俺ときたら、帆月のことばかり考えているのだから。

　しかし、それは恋愛感情とは違うと思っている。それは帆月の謎多き態度や言動が、俺の好奇心を刺激した結果であり、俺自身に彼女を好きという実感はないのだ。そもそも、俺にとって帆月蒼空という存在は、あまりにも唐突で捉え処がなさ過ぎる。

　俺は恋愛をしたことがない。恋愛感情を抱いたこともない。それ故に、帆月をどう想っているのか、わからないだけ。そんな可能性も考えてはみる。でも、巧く説明はできないが、人を好きになるって、もっと違う筈なのだ。そう俺が言っても説得力に欠けるのだろうが……。

　とにかく、俺の気持ちは、この際どうでもいい。問題は、帆月が俺に好きになられたら困るということ。

　そんな訳で俺は明日、帆月に逆告白を慣行すると決めた。それが、彼女の為なのだと、俺は本気で思っている。