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その恋を残して
第3章 私と、蒼空の秘密


「さて……どう、お話したものですかな」

 コーヒーを半分程、飲み終えた時。沢渡さんは、それまでしていた当たり障りのない会話
を切り上げ、本題に入ろうとしていた。本題とはつまり、蒼空そして、怜未の話である。

「まずは、こちらをご覧になってください――」

 沢渡さんは、懐より出した一枚の写真をテーブルに置いた。その写真には小学生くらいの二人の女の子が映っている。

「失礼します」

 それを手にして、俺は驚く。その二人の女の子が瓜二つだったこと。そして、この女の子たちはもしかして……。

「まさか、これは?」

「幼少の頃の蒼空さまと怜未さま。お二人は双子の御姉妹なのです」

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