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その恋を残して
第3章 私と、蒼空の秘密

    ※    ※


 気がつくと俺は自分の部屋にいた――。

 話を終えた後、沢渡さんは車で俺を送ってくれたのだが、正直その間のことは良く覚えていない。

 蒼空と怜未の秘密の全てを聞いて、でも俺はその全てを受け入れられないでいた。沢渡さんが嘘を言っていないことは理解している。それでも俺は、それを受け入れきれてはいない。そして、自分の中で何度も自問する。


 あり得るのか――? 一つの身体を二人の意識が共有する。そんなことが、本当に。


 俺は力なくベッドに倒れる。頭の疲弊が全身に拡がったかの如く、立ってさえいられなかった。枕に顔を埋めつつ俺は思う。

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