この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
その恋を残して
第4章 二人で一人、なのです

    ※    ※


「お前、帆月と付き合ってんの?」

 いきなり投げられた直球の如き問いに、俺は肩を揺らしてギクリとする。こんな無遠慮な奴は一人しかいない。当然、俺の悪友・田口であった。

「な、なんで?」

「朝、一緒に登校してきただろ。朝練の最中に見かけたぜ」

 田口は野球部である。嫌な奴に見つかってしまったものだ。

 そりゃ、一緒に歩いていれば一目にはつくのだし、そういう意味では俺の配慮が足りなかった訳ではあるが……。

「まだ、付き合っている訳じゃない……ような」

「でも本来、車で送迎されている帆月が、歩いて登校して来たことから察するに、何処かで待ち合わせしたってことだろ?」

 コイツ、推理力がハンパねえ。と、妙なことに感心している場合ではない。

「イヤ……そうなんだけど……」

 明らかに言い淀む俺を見て、田口はため息を洩らした。

「別に冷やかすつもりはないって。はっきりしておいた方がいいってこと。只でさえ帆月を狙っている奴は多いんだぜ」

 それは確かに。先日の内田の件も記憶に新しい。だが、朝も考えたように、まだ付き合っていると言い切れる状況ではないのである。

「今は、見て見ぬ振りで頼む。はっきりしたら、お前には言うから」

 俺が手を合わせつつ、そう願うと――

「早い方がいいとは思うけどな……」

 とりあえず、田口はその追及をそれで終わらせてくれた。

/184ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ