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その恋を残して
第4章 二人で一人、なのです

    ※    ※


「帰りも、朝と同じコンビニでいいの?」

「はい。沢渡さんには、そう連絡してありますので」

 蒼空と、そんな会話を交わしながら俺たちは校門を出る。

「ただ……」

 と、蒼空はふと顔を曇らせる。

「沢渡さんは、少し困っているのかもしれません。あ、松名くんがどうこう言ってる訳ではありませんよ。たぶん、私のことを心配するあまりに……」

 そう言われて俺は気づく。怜未は交通事故で、その肉体を失っているのだと。

 沢渡さんにしてみれば、二度とそんなことがあってはならないと思うのは当然だろう。だから、何処へ行くにも自分が確実に、送り届けたいと思っている筈だ。

 だが、蒼空にしても高校生。その意志を尊重したいとの思いもあり、こうしてコンビニまでの徒歩を了承してくれている。そう考えるべきだった。

「蒼空――」

「?」

 俺は、車道側を歩いていた蒼空と、歩く位置を入れ代わる。

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