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秘密の恋人
第3章 始マリノ裏側
「及川さん?寒いし、タクシーで帰れるかな?大丈夫?」
「イヤです・・・」
「え?」
「独りにしないでください」
いや、まぁこんな状態の女性を1人タクシーに放り込む程無責任ではないが…
運転手も嫌がるだろうし… 時刻は午後22時を回ったところ。タクシーに一緒に乗るくらいは構わないが、問題は彼女が自分で自宅までナビできるかどうかだな…軽く溜め息をついた私に彼女は、
「ずっと…一緒に居てください。お願いします」
私の首に両腕を絡ませて抱きついてきた。
驚きのあまり、慌てて肩を掴んで引き離す。
アルコールのせいか、うっすら染まった頰と、潤んだ瞳がやけに煽情的で。
「私とじゃ、ダメですか…?」
そんな風に縋られたら…
いくら、年が離れているとはいっても、彼女はれっきとした大人の女性で、私も男だ。
妻と別れて、10年以上、恋人と呼べる存在もいない。
ドクン、と心臓が高鳴った。
それでも、そんな一言で、じゃあ据え膳ということで、なんて開き直れるほど、若くもなかった。
「及川さん。おじさんをからかうもんじゃない。タクシー拾うから、ナビできないなら免許証を出して。」
振り切るように強めに言った。
「イヤです・・・」
「え?」
「独りにしないでください」
いや、まぁこんな状態の女性を1人タクシーに放り込む程無責任ではないが…
運転手も嫌がるだろうし… 時刻は午後22時を回ったところ。タクシーに一緒に乗るくらいは構わないが、問題は彼女が自分で自宅までナビできるかどうかだな…軽く溜め息をついた私に彼女は、
「ずっと…一緒に居てください。お願いします」
私の首に両腕を絡ませて抱きついてきた。
驚きのあまり、慌てて肩を掴んで引き離す。
アルコールのせいか、うっすら染まった頰と、潤んだ瞳がやけに煽情的で。
「私とじゃ、ダメですか…?」
そんな風に縋られたら…
いくら、年が離れているとはいっても、彼女はれっきとした大人の女性で、私も男だ。
妻と別れて、10年以上、恋人と呼べる存在もいない。
ドクン、と心臓が高鳴った。
それでも、そんな一言で、じゃあ据え膳ということで、なんて開き直れるほど、若くもなかった。
「及川さん。おじさんをからかうもんじゃない。タクシー拾うから、ナビできないなら免許証を出して。」
振り切るように強めに言った。