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秘密の恋人
第17章 紹介
沈黙を破ったのは、お母さんだった。

「ここまで、想ってくださる方なんて、なかなかいませんよ?男女の縁は、年の吊り合いだけではありませんから。近い歳の方と結ばれたって、必ず幸せになると決まるものじゃありません。その点萩原さんなら、お人柄も誠実そうですし、経済的にも安心してお任せ出来そう。会社で要職に就いておられるということは、社会的にも信頼できると思います。そんな方にここまで言っていただけるなんて、菜摘は幸せだと思います。」

「私たちに反対されて、諦められる程度の気持ちで、20歳もの開きを埋められるとは思いません。そう言おうと思ったのに…先手を打たれましたね。連れて逃げるとまで言われては、反対する意味がないでしょう?」

お父さんは少し拗ねたような顔で、お茶を一口飲んだ。

「じゃあ、許してくれるの?」

「許すも何も、もうお前は大人だ。好きにすればいい。その代わり、自分で決めた道だ、逃げるな。こんな啖呵切っといて簡単に別れたりするなら承知しないぞ。」

私は、大きく頷いた。
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