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秘密の恋人
第19章 波乱ヲ呼ブ手紙
「ちょっと…支度する気が起きなくて…ごめんなさい」
私の様子を訝しんだのか、部屋に入りかけた義隆さんが再び出てくる。
「別に良いけど…何かあった?」
「…………」
「…ちょっと待ってて。一旦着替えてくるから…」
数分後、部屋着に着替えた義隆さんが出てきて、ソファの定位置に座る。
「どうしたの?様子がおかしいよ。話してくれないと私はわからないから…」
「…義隆さん、一つ、聞いてもいい?」
「何?」
「ニッタ サクラコさん、って知ってる?」
「…誰それ。女優さん?」
義隆さんは怪訝な顔をする。
とぼけているようには見えない。
本当に知らないようだった。
私は思いきって、届いた手紙を見せた。
差出人の名前を見た途端、義隆さんの顔色が変わる。
「…今更…」
と呟き、深いため息をついた。
その反応は、私が想像していたもので。
でも、名前を言っても反応しなかったのは、なぜなのかしら。
「…別れた、奥様…?」
恐る恐る尋ねる。
義隆さんは苦虫を噛み潰したような顔で小さく頷いた。
「…桜の子と書いて、ヨウコと読むんだ。新田というのが、恐らく今の苗字なんだろうな。旧姓でも当時の不倫相手の名前でもないが…」
そういうことか…それじゃあニッタサクラコに覚えがなくても仕方ないか…
私の様子を訝しんだのか、部屋に入りかけた義隆さんが再び出てくる。
「別に良いけど…何かあった?」
「…………」
「…ちょっと待ってて。一旦着替えてくるから…」
数分後、部屋着に着替えた義隆さんが出てきて、ソファの定位置に座る。
「どうしたの?様子がおかしいよ。話してくれないと私はわからないから…」
「…義隆さん、一つ、聞いてもいい?」
「何?」
「ニッタ サクラコさん、って知ってる?」
「…誰それ。女優さん?」
義隆さんは怪訝な顔をする。
とぼけているようには見えない。
本当に知らないようだった。
私は思いきって、届いた手紙を見せた。
差出人の名前を見た途端、義隆さんの顔色が変わる。
「…今更…」
と呟き、深いため息をついた。
その反応は、私が想像していたもので。
でも、名前を言っても反応しなかったのは、なぜなのかしら。
「…別れた、奥様…?」
恐る恐る尋ねる。
義隆さんは苦虫を噛み潰したような顔で小さく頷いた。
「…桜の子と書いて、ヨウコと読むんだ。新田というのが、恐らく今の苗字なんだろうな。旧姓でも当時の不倫相手の名前でもないが…」
そういうことか…それじゃあニッタサクラコに覚えがなくても仕方ないか…