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第21章 魅惑ノ香リ　　

「今はあんまり不安とか悩みもないみたいね？落ち着いてる感じ。いいコトだわ。セックスは？」

「え？」

「パートナー、だいぶ年上だって言ってたでしょ？満足できてる？セックスライフ」

「…ん…ま、まぁ…」

いくら友達でも、そこをあけすけに話すのってなんか恥ずかしい…

「大事なコトよ？日本は性に関して隠しすぎなの。確かにデリケートな部分ではあるから、ひけらかせとは言わないけど。でもタブー視するのは違うでしょ。誰もが経験して通る道なのに、きちんと教育しないから、正しい知識がないままネットには情報だけが溢れ返って。そんなのガラス玉に混じった宝石を探せって言ってるようなもんじゃない？何が正しいかなんて判るわけないのよ。ま、日本の性教育が遅れてるってのは紛うコトなき事実だから、それをココで論じるつもりもない。ただね。オンナは歳を取れば取るほど性欲がアップするっていわれてるし。歳下のオトコがいいって言われるのもそこだから。年上が悪いとは言わないけど、いずれ確実に満たされなくなる日が来る訳でしょ？その時菜摘はどうしたいのか。彼と離れて別のパートナーを探すのか。彼公認でそれだけの関係を持つヒトを探すのか。オモチャとかバーチャルに頼るのか。」

「…そんなの、考えたコトないわ…」

「…オモチャが悪いとは言わないわよ？ああいうのって、身体に障害がある人の性欲処理にも活用されてるって話だし、オモチャを使って脱マンネリで満足できる人もいるし、ホンモノじゃなくてもオーガズムを感じるコトで女性ホルモンは分泌できるって話だから。どの道を選ぶかは、2人で相談して決めればいいコトで、言いたくない人に言う必要はないから。ただ、今日は、そんなコトも考えるキッカケになればな、と思っただけだから。」