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秘密の恋人
第22章 終章 2人ノカタチ
その数日後。仕事中に義隆さんから個別の社内チャットが入った。
社内チャットで義隆さんから連絡が来ることなんてあり得ないから、びっくりして声が出そうになった。
打ち合わせ、とのことで、事務所から少し離れた会議室に呼び出される。
ノックすると、どうぞ、と声がしたから、頭を下げて入室する。
中には、隣を伺う板倉係長と、山根課長と、笑顔の義隆さんがいた。
少人数用の狭い会議室で、入口から正面、つまり奥に義隆さん、手前に課長と係長が、私に背を向けるカタチで座っていた。4つしか椅子がないから、私はどこに行こうか入口近くに立っていたら、義隆さんが私に手招きする。いや、このメンツで義隆さんの隣座りにくいんですけど…仕方なく奥の席、部長の隣に失礼しますと恐る恐る座った。
板倉係長がおずおずと口を開く。
「あの、及川さん…」
「はい…」
「及川さんと、萩原部長が…」
「…はい…」
「あ、あの!別に責めてるわけではないの!萩原部長も、及川さんも独身ですものね!ただ、突然部長から伺って、余りに驚いたものだから…」
「証明する為に来て貰ったんだよ。」
義隆さんは笑顔を崩すことなく、
「及川さんとは、ご両親も公認で同居してるんだ。ただ、入籍するつもりはないから、今後私たちが別れて別の男性と結婚しない限り、彼女の姓が変わることはない。でも、事実婚状態ではあるから、私が直属であるうちは等級評価を待って欲しい。…菜摘、ちょっと、指輪貸して?」
義隆さんが、会議テーブルの上に手を出した。
私は左手の指輪を外して義隆さんの手のひらに乗せる。
義隆さんも自分の指輪を外して2つを自分の手のひらに乗せ、課長たちに差し出した。
2つを並べてみれば、それがペアで作られたものだ、ということがよくわかる。
加えて外して見せれば、内側には、Yoshitaka&Natsumiの刻印がある。
「信じて貰えたかな?」
「…信じていないわけではなかったんですけど…」
課長も苦笑いだ。
社内チャットで義隆さんから連絡が来ることなんてあり得ないから、びっくりして声が出そうになった。
打ち合わせ、とのことで、事務所から少し離れた会議室に呼び出される。
ノックすると、どうぞ、と声がしたから、頭を下げて入室する。
中には、隣を伺う板倉係長と、山根課長と、笑顔の義隆さんがいた。
少人数用の狭い会議室で、入口から正面、つまり奥に義隆さん、手前に課長と係長が、私に背を向けるカタチで座っていた。4つしか椅子がないから、私はどこに行こうか入口近くに立っていたら、義隆さんが私に手招きする。いや、このメンツで義隆さんの隣座りにくいんですけど…仕方なく奥の席、部長の隣に失礼しますと恐る恐る座った。
板倉係長がおずおずと口を開く。
「あの、及川さん…」
「はい…」
「及川さんと、萩原部長が…」
「…はい…」
「あ、あの!別に責めてるわけではないの!萩原部長も、及川さんも独身ですものね!ただ、突然部長から伺って、余りに驚いたものだから…」
「証明する為に来て貰ったんだよ。」
義隆さんは笑顔を崩すことなく、
「及川さんとは、ご両親も公認で同居してるんだ。ただ、入籍するつもりはないから、今後私たちが別れて別の男性と結婚しない限り、彼女の姓が変わることはない。でも、事実婚状態ではあるから、私が直属であるうちは等級評価を待って欲しい。…菜摘、ちょっと、指輪貸して?」
義隆さんが、会議テーブルの上に手を出した。
私は左手の指輪を外して義隆さんの手のひらに乗せる。
義隆さんも自分の指輪を外して2つを自分の手のひらに乗せ、課長たちに差し出した。
2つを並べてみれば、それがペアで作られたものだ、ということがよくわかる。
加えて外して見せれば、内側には、Yoshitaka&Natsumiの刻印がある。
「信じて貰えたかな?」
「…信じていないわけではなかったんですけど…」
課長も苦笑いだ。