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秘密の恋人
第22章 終章 2人ノカタチ
「…あのね、義隆さん…」

「何?」

「…あの、この間、友達に言われたことなんだけど…」

「うん?」

「…その…オンナは歳を取るほどに性欲が増すって…」

「そうなの?」

「…らしいの…でね、20歳も歳上のパートナーだと、いずれ満たされなくなる日が来る…って…」

「………」

「あの、気を悪くしないでね、あくまでも一般論、ということで…」

「…いや、それは当然そうだろうと思うよ。いつまで出来るか自分でも判らないけど、そう遠くない未来にそんな日は来るだろうね。」

「…そうなった時に、私がどうしたいか、聞かれて…」

「…菜摘は、どうしたいと思った…?」

「…私…おもちゃ、使ってみたい、な…って…」

「おもちゃ?…それは…所謂オトナの玩具という…アレのこと?」

私はコクリと頷いた。

「自分でも、その満たされない具合がどんなモノかは全然想像もつかないの。でも、だからって義隆さんと離れるつもりはないし、例え義隆さんがいいと言ってくれたとしても、他の男性に抱かれたいとは、今は思わない…だったら、その、バイブとか、そういうので、義隆さんと楽しみたい、かなって…」

「…………」

「…義隆さん….どう思う…?ヘンかしら…」

「…いや。菜摘のお父さんには、菜摘の心が私から離れれば束縛はしないと啖呵を切ったが…私は菜摘を手放せそうにない…同じ理由で他の男にも渡したくない…例え身体だけだと言われたとしても…だから…菜摘がそう言ってくれるなら、それは願ってもないことだ…」

私を抱く腕に力がこもる。でもふと空を睨んで考え込む。

「…菜摘の気持ちを尊重したいけど、離れたくないから、離れないと言ってくれることが嬉しい…偶然お互いのニーズが合致しただけで、コレって結局独占欲なのか…?んん…難しいな…」

「偶然合致したんじゃないわ。お互いのことを想いあってるからよ。こうやって、2人だけのカタチを作っていくのよ…これから先も、ずっと………」

私は呟き、幸せな気分で目を閉じた…





ー完ー





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