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秘密の恋人
第6章 偶然ノ出逢
外をチラッと見る。

結構な雨足で。駅までも結構距離がある上に、屋根のあるところはなくて、傘ナシは…ツラい。

でも…と躊躇していたら、彼が傘をスッと取り。

「駅までご一緒しませんか?」

と笑った。

「この間歩いてた方向からして、JRか、阪神じゃないんですか?僕阪神なんですけど。駅まで行けたら、僕は最寄駅に車置いてるんで、駅までで大丈夫だから。」

…同じ方向…?
忘れた商品を持ってきてくれた時は…反対方向に歩いて行ったのに?
私が微妙な顔したからか、私の疑問を察したようで。

「こないだは、梅田の方に用があったから、帰り道じゃなかったんです。」

あ、そういう、こと…

「あ、でもそれなら私は家の最寄駅からも傘欲しいから、私が買った方が…」

「人の買った傘に入れてくれなんて厚かましくて言えませんて。それに、僕が買った方が多分安くなるんで。」

最後の方は小声で私の耳元で囁いた。

傘をレジに持っていく。

「あれ、巽くんが買うの?」

「えぇ。駅まで一緒に歩こうかと。なんで、安くしてください」
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