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秘密の恋人
第6章 偶然ノ出逢
そんな巽さんに、思わずふふ、と笑ってしまう。

「あのコンビニでバイトしてた、って、何年前くらいですか?よく行くから、もしかしたら会ってるのかも。」

「ですね。2年前、かな。」

「学生の時?2年前ってことは、24歳くらい?」

勝手に大学をストレートで出て、就職した計算で聞いてしまう。

「いえ、2年前フリーターだったんで。今27ですよ。」

「あ、ごめんなさい…若く見えるから…」

慌てて言い訳したけど、若く見えるのは嘘じゃなかった。1つしか、違わないんだ…

「いいえ。就職難だったのは確かだけど、全員が就職浪人したわけじゃないし、もっと現実見て、在学中にしっかりやるべき事やっときゃこんなことにはならなかったと、今でも思います。在学中は贅沢いって全然決まらなくて。最後はなりふり構わず面接受けまくって、それでもやっと1社決まったのは卒業後でした。選択肢なんかなくて入ったトコが結構なブラックで、1年保たずに働けなくなっちゃったんで、ブランクあるんです。」

「…大変、ですね…身体、壊されたんですか…?」

巽さんは穏やかに笑って、

「身体も悲鳴あげてましたけど、深刻だったのは、メンタル、かな?」

と呟いた。

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