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秘密の恋人
第8章 漣ーサザナミー
義隆さんが、狡い…そんな事考えたこともなかった。でも、私はもっと狡いから…
「そんなオトコ辞めて、僕に乗り換えない?」
え?
「及川さんのこと、最初はいいな、って思ってただけなんだけど。何度かこうやって会ってるウチに、だんだん、もっと知りたいって、思ってきた。
この話のスタートも、彼氏が居ないなら、付き合ってほしいって言おうと思って…まさかこんな展開になるとは思わなかったけど。
幸せにするなんて、偉そうなコトは言えないよ。だけど、今の相手が先の見えない関係なら、僕は…僕の方が、努力はできると思う」
「私なんかに、巽さんは勿体無いです…私、本当は…巽さんのこと、ちょっといいな、って思ってました。
でも、今の彼もキープしたまま、巽さんが告白してくれるの、待つような真似してしまって…今も、真面目に私のこと思ってくれてる気がするし…どっちつかずの、私が一番狡いんです…」
巽さんは乾いた声で微かに笑って。
「本当に狡い人間はね、自分が狡いなんて認めないよ」
「そんなオトコ辞めて、僕に乗り換えない?」
え?
「及川さんのこと、最初はいいな、って思ってただけなんだけど。何度かこうやって会ってるウチに、だんだん、もっと知りたいって、思ってきた。
この話のスタートも、彼氏が居ないなら、付き合ってほしいって言おうと思って…まさかこんな展開になるとは思わなかったけど。
幸せにするなんて、偉そうなコトは言えないよ。だけど、今の相手が先の見えない関係なら、僕は…僕の方が、努力はできると思う」
「私なんかに、巽さんは勿体無いです…私、本当は…巽さんのこと、ちょっといいな、って思ってました。
でも、今の彼もキープしたまま、巽さんが告白してくれるの、待つような真似してしまって…今も、真面目に私のこと思ってくれてる気がするし…どっちつかずの、私が一番狡いんです…」
巽さんは乾いた声で微かに笑って。
「本当に狡い人間はね、自分が狡いなんて認めないよ」