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秘密の恋人
第13章 現実
義隆さんに、娘呼ばわりされたのは流石にキツかった。

それ位歳が離れてる、なんてことは最初から判ってた話で。

それでも優しく愛してくれるのは、男性として、私を1人のオンナとして見てくれているからだと信じてたのに。
友達としてスタートしたから女として見てもらえない、というのなら解らなくはないけれど。
友達は対等で、恋人にも昇格し得る関係だもの。

だけど娘なんて、一生子供扱いで、女としては見られないと宣告されたようなもの。じゃあ今までの関係は何だったの?と、失笑しか出てこない。

別に外泊を咎められることもないのだから、そのまま帰っても良かったのだけど。朝ごはんも食べてなくてお腹も空いたし、何となくこのまま家に帰るのが嫌で、地下街のカフェに入った。

クロワッサンのサンドイッチとカフェラテを注文し、席に座って待つ。
サンドイッチを食べ、カフェラテを飲む間も、頭に浮かぶのは義隆さんのことだけ。優しい笑顔も、大きな手で髪を撫でてくれるのも。低くて甘い声も、私を愛してくれた身体も。…その全てが好きだった。

せめて、あと10年早く生まれていたら、こんな風に棄てられることもなかったのかしら。
考えても仕方のないことばかり頭を巡る。
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