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秘密の恋人
第13章 現実
サンドイッチを食べ終えた後も、ゆっくりコーヒーを飲み、携帯をいじって、時間を潰す。
土曜日の早朝だから、店内も空いてて、食べたら出なきゃ、という雰囲気でもない。
どうせならもう少し時間を潰して帰りたかったけれど、カフェでは小一時間が限界だった。それでもまだ8時半。お店の開く10時まで時間を潰すのが面倒になり、諦めて家に帰った。

家についたのが9時過ぎで、両親はすでに出かけたようで居なかった。
ダイニングテーブルに、
『菜摘へ。お父さんと買い物に行ってきます。お昼過ぎには帰るけど、ご飯は適当にしてね』
というメモが置いてあった。
こんな時間から買い物に行くとしたら…郊外の大型スーパーか。
冷凍庫を開けてみるとほぼ空っぽで。やはり冷凍庫を満タンにするくらいの買い出しに行ったのだろう。

大人になっても、朝帰りで親と鉢合わせるのは…特に父親とは少々気まずいもので。
相手が義隆さんだから余計に、悪いことをしているような気がしてしまう。
義隆さんと父は10歳も違わない。6つ、くらいかしら。
やっぱり微妙、よね。
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