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秘密の恋人
第14章 決意
「毎回ならかなり独占欲強いんだと思うけど、今回初めてだってんなら…やっぱり自分から離れろって口で言いながら、本当は離れてほしくなかったんじゃない?随分卑劣だと思うけど、正々堂々と好きだ、離れないで欲しいって言えない理由でもあんのかな。どんなヤツか知らないけど。」

巽さんは嘲笑して、コーヒーを飲んだ。
正々堂々と、言えない理由…
それはやっぱり…年齢差だろうか…

「売り言葉に買い言葉は菜摘ちゃんの方か…まだ、好きなんだろ?その男の事が。」

私は、躊躇いながら、こくり、と小さく頷く。

「俺は相手がどんなヤツか知らないから、無責任な事しか言えないけど。前も言ったけど、大人なんだから、法に触れたり、他人に迷惑掛けることじゃなきゃ、好きにしたらいいじゃない。いい大人が2人してウジウジもじもじしてるだけなんてそりゃ鬱陶しいもんだぜ?戻んのかスッパリ離れんのか、きっちり決めな?離れるんなら忘れるための協力はしてあげるから。」

巽さんは、隣り合った私の肩をぐっと抱き寄せて、耳元で囁いた。

「それとも…強引に忘れさせてやろうか?」
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