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秘密の恋人
第15章 幸セノ定義
「それを感じるから、余計混乱したの。貴方の本心がどこにあるのか見えなくて、ずっと、どこかふわふわしたような、不安があって…
でもそれは…私が現実と向き合ってなかっただけだって、初めて気付いた。20歳という歳の開きを改めて考えて、義隆さんは私の足枷になるまいと思ってくれてたんじゃないかな、って…
そしたら、今までバラバラに散らばってたピースが一つに纏まったような気がして。確かめたくて、居ても立ってもいられずに、押し掛けてきちゃった。」

「パズルが完成して、君に見えた絵は、どんな物だった…?」

「先のことはわからないの。ハッピーエンドも、アンハッピーエンドも、シナリオはいくらでも思いつく。だけど、それはその時になってみないとわからない。ただ、今は義隆さんと一緒に居たい。誰に謗られても、後ろ指を指されても、義隆さんと居たい。」

「…私は、リスクマネジメントを任された立場にあるせいかな、プライベートでも様々な可能性…主にマイナス面ばかりを考えてしまう。君と自分の未来において、いくらシナリオを想定しても、ハッピーなものなど一つも想像し得なかった。つまり、私といることは君を不幸にするだけだと結論付けて、君と離れた方がいいと思った。でも、本心は違う。君が好きだ。一緒に居たい。だから、突き放せなかった。情けない。君が自分から離れてくれれば諦められるかと、他の男を探せと言い続け、その実君が1日でも長く私と一緒に居てくれる事を願っていたよ。だから…あの時、新しい恋人が出来たのだと思った時は…嫉妬で狂いそうだった。此の期に及んで独占欲が出てキスマークなんかつけてしまって…恥ずかしい限りだ…」
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