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きょうどうせいかつ。
第12章 それができたら くろうはしない。
クリス曰く、人間の説得がそう簡単にできたら苦労はしていない。根本的な問題として、魔物たちが、魔王が倒された噂を聞いて、人間に奇襲をかけるかもしれない。だとしたら、そちらの方を先に処理しておくべきで、そうなってくると、魔界にいくのが手っ取り早いと思ったから、ということらしい。
「まあ、それは後付けって奴で、ほんまは行ってみたいだけなんやけどな」
そんな感じでニコニコ笑うものだから、聞いているこちら側も怒るに怒れなかった。
それに、クリスが言っていることは、筋が通っていて、イザベラの意見よりも賢明だった。
クリスの意見を聞いたイザベラは、ものすごく不機嫌そうな顔をしていた。それをダミアンがなだめて、事なきを得た。
「それにしても珍しいっすねー。クリスさんがまともな事言うなんて」
「その言い方、ちょっとひどいわー。オレかてちゃんと考えとんねんで?」
「すみません……」
どうやら意見はまとまったらしい。
こうなってくると、善は急げ、一週間後には出発するとのことだった。
イザベラは何故か、たくさんお土産を買うとかなんとか言って、街に出かけていった。
外へ行って大丈夫なのかと聞くと、いつも行っているから大丈夫とのことだった。
そんなことがあり、あっという間に一週間が過ぎた。