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きょうどうせいかつ。
第14章 なんていったら いいのかな。
「イザベラちゃんの胸を凝視してたくせに……」
「なにおまえみてんだよ!」
「あっれー?おっかしいなー。急にぎこちなくなったでー」
「そんなことない!」
「あはは……。そう否定しなや。分かってんでー。イザベラちゃんの谷間見て、ああ、この胸に頬ずりしたら気持ちええんやろうなって考えとったんやろー」
「俺はお前みたいに卑猥じゃない!」
「ムキになっとるー」
クリスは初めての魔界に来てはしゃいでいる。
別に決して悪いことではないのだが、巻き込まれたくはないブレットは、少し後ろに下がって、ベンジャミンの隣へ行った。
「悪く思わないでくださいね。クリスさんは馬鹿だけど、いい人なんすよ」
「大丈夫ですよ、分かってますから」
ブレットがそう言うと、ベンジャミンは、少しほっとした顔をした。
しかし、何かあったのだろうか、急に険しい顔になる。
いつもの温和な表情とは違って、緊迫感に満ちていた。
ばっと後ろを振り返り、サラと目を合わす。
サラの隣を歩いていたデュークは、ものすごく楽しそうににやりと笑った。
後になって気づいたのだが、デュークが笑うとろくなことが起こらない。少なくとも、ブレットはそう思っていたし、今回だってそうだった。