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きょうどうせいかつ。
第14章 なんていったら いいのかな。
デュークは突然、何処からか取り出したのか分からないが、手袋を嵌めて、空中に両手をかざした。すると、デュークの手の当たりに空気が集まってきた。なんというか、デュークの手が空気を吸い上げているように見えたのだ。
そして、その空気の集まりをすくい上げると、向かって右側に放り投げた。
しゅんしゅんと音を立てて、竜巻が発生した。
デュークはそれを見て、何かぶつぶつ言っていたようだが、わからない言葉だったので理解できなかった。
その竜巻は見る見るうちに大きくなり、何処かへ消えてしまった。
何事もなかったように、すたすたと歩くデューク。
どうしたのだろうと不思議な気分になった。
そんなことが何回か続いた。
その度にカマイタチなどを何処かに飛ばしていた。
何かがあるのだろうけれど、デュークの笑みが恐ろしすぎて何も聞けない。
そんな風に、肩身の狭い思いをしていると、クリスが異変に気づいた。
「どないしたん?」
これほどクリスの存在を尊敬した日はないだろう。クリスが空気の読めない人間で良かったと思った。
「不運なことに、やたらとこっちを見ている奴が多くてな。掃除をしていたんだ」
珍しく口を開いたかと思うと、ろくなこと言わないな、この人は。
「ふうん。見張られとるんか」
「まあな」
「にしては妙に楽しそうやなー」
「誰かを攻撃するのは好きだからな」