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きょうどうせいかつ。
第14章 なんていったら いいのかな。

「怖……っ」

ベンジャミンさんも、どうしてこんな物騒な人の弟子でいられるのか分からない。
というか、この人の良さが分からない。

「格好いいですう……」

「え!?」

しかし、そんなブレットの考えとは裏腹に、サラはデュークにご乱心らしい。
頬が赤く染まって、目がとろんとしている。
恋する女の子といった感じだ。

「…………」

どうやら、デュークはそこまで嬉しくないらしく、彼には珍しく、顔をひそめていた。

「何処がいいんですか?」

ブレットは、それとなく、サラに聞いてみた。
目をキラキラ輝かせ、いつになく幸せそうな笑顔でサラは答えた。

「もう、とにかく全部ですよう!」

「はあ……」

「あの引き締まった筋肉。すこし陰のある表情の中にも、少しアブノーマルな雰囲気がもう素敵!なんていいったらいいのでしょうか……。ああ、私の語彙力では言い表せないくらい、すばらしいお方なのです!」

何故だろうか。ここにはまともな人がいないのだろうか。この人は普通そうだなと思っていたら、ものすごい引き出しを隠している。それに、こいつは絶対変人だろうと思うような人は、案外まともだったりするのだ。どうしてなのだろうか。というか、そもそも、性格が変わり過ぎじゃないのか?人の混乱を招くような真似はしないでほしいのだが、そんなことをいっても無理なんだろうな。わかってる。俺だって分かってるんだよ。そんな希望的観測しかできないのは駄目な証拠だ。現実はこれなんだ。どこがいいのか全く分からない男が、ものすごくモテる世界なんだ。諦めよう。そして受け止めよう。うん、そうしよう。

ブレットの心の叫びはしばらく続いた。


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