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きょうどうせいかつ。
第14章 なんていったら いいのかな。
「ところで百科事典、ここから一番近い街は何処かしら」
「えと……北に数キロ行ったところに、商業の栄えた村があったはずです。小さな村ですが、活気溢れる村ですよ」
サラが突然のことに困惑しながら答えた。少し目が泳いでいる。ちらっとベンジャミンの方を見たのだが、ベンジャミンも困っているようだ。
知識の固まりである二人が困っているなど珍しいことだった。
「分かった。取りあえずその村へ行きましょう。話はそれからだわ」
そう言って、迷いを感じさせない足取りで、すたすたと歩いていくイザベラ。いろいろあったが、妙に頼もしく感じた。