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きょうどうせいかつ。
第15章 こんなにうまく いくなんて。

イザベラの提案は少なからず反対意見が多かった。
特に強く反対したのは、魔王だった。
「どうして反対するの?私は貴方と同じくらい強いのよ?」
本当に分からないといった表情で、眉をひそめるイザベラ。
ダミアンはそんな彼女をキッと睨んでいた。
『確かにお前は強いが、お前の身は誰が守るというのだ!』
いつになく、恐ろしい形相でそういうダミアンに、イザベラは全く怯まなかった。
「私の身は私が守るわよ。だって私は強いもの」
それから意地と意地の張り合いになり、最終的にダミアンが折れた。
ほぼ喧嘩別れのようになってしまった二人を、ブレットとベンジャミンは少なからず心配していたのだ。
「どうして協力しようと思ったんですか?」
「うーん、僕の場合は、歴史的瞬間に立ち会うためっていうのもありますけど……」
「けど?」
「デュークさんのためってのもあります」
「そう言えば、どういう経緯でイザベラと会ったんですか?」
「ああ……。それはですね、あの屋敷に僕たち、強盗に入ったんす」
「強盗ですか……。話が急ですね」
「まあ、分かると思いますけど、デュークさんの案です」

