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きょうどうせいかつ。
第15章 こんなにうまく いくなんて。
二人はそのまま暫く雑談に興じた。
どうやらイザベラの昼寝は、仮眠程度のものだったようで、小一時間もしたら、むっくりと起きてきた。
当たり前だが、目は真っ赤になっておらず、青空を移したような水色のままだった。
それから、日がだんだん傾き始めた頃合いをみて、食事処に移動した。
確かに、魔界の食べ物はそこまで美味しくなかったが、我慢すればなんとか食べることができた。
芋をペースト状にしたような、妙にドロドロしている味気ないスープに、歯が砕けるかと思わせるくらい固いパン。野菜というよりは、何処かから草を摘んできたような、謎のサラダ、何の動物か分からないけれど、恐らく可愛らしい生き物ではないことが窺える、何かの丸焼きなど、できることなら、あまり食べたくはなかったのだが、我がままもいっていられない。心に鞭を打って、なんとか完食した。
どうやら、ブレット以外の二人は、この食事に慣れているようで、ぺろりと食べてしまった。
何故か、イザベラまで慣れっこといわんばかりに食べていたのは気になったが、興が醒めてしまうのは嫌なので、口にはしなかった。
帰り道、今後について話し合っていたとき、イザベラがふと、例の笑みを浮かべて、楽しそうにこれから起こることを予想した。もちろん、信憑性はないのだが、しかしながら、この村の反応を見て、無下に出来るほど、能天気な頭はしていなかったので、もしものことを考えて、真剣に聞いた。
まさかこの予想がぴったり当たるなど、イザベラも予想だにしていなかっただろう。
そうやって話しているうちに、あっという間に宿屋についた。
ブレットとベンジャミンは、イザベラのいう通りに待機していた。
日もすっかり落ち、フクロウが鳴き声を上げ、人々が眠りに落ちた頃、事は起きた。