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きょうどうせいかつ。
第16章 なんぎなことを するものだ。

「これ、どうなってるんだ?」

床に倒れている四人の男たち(それなりにがたいがいい)に、何故か全裸で、絶望したような顔で天井をずっと見ている男。その男の前に立っているイザベラは、目が真っ赤に光っている。その側には、以前イザベラが着ていたと思われる、水色のドレスがずたずたに引き裂かれている。

「ああ……。自分の事しか考えてなかったわ」

「派手にやりましたねー。何も脱がさなくっても……」

ベンジャミンは呆れ顔で、男たちを観察している。

「お前……!イザベラに何をした!」

ブレットは、一番近くにいた男の胸ぐらを掴み、乱暴にゆらした。
しかし、男たちは、何処を見ているのかわからない、焦点のあっていない目で、ブレットの言葉を無視した。

「ブレット、もういいわ」

そんなブレットをイザベラは制した。

「それよりもベンジャミン、どうしてブレットを止めなかったの?」

「だって、そもそも僕が敵うわけないじゃないですか。無力だし、魔力もないし。ブレットさんは一応、曲がりなりにも勇者なんですよ?」

「馬鹿……」

イザベラは頭を抱えて、ため息をついた。
ブレットがここまで不確定要素だと思っていなかった。
今までの傾向から、頭に血が上ったら後先考えず行動してしまう事など分かっていたのだが、まさかこれほどとは思わなかった。
これが勇者なのだから、世も末である。

「まあいいわ。ベンジャミン、この、私の目の前の全裸の男はハリーっていうのだけれど、知ってる?」


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