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きょうどうせいかつ。
第16章 なんぎなことを するものだ。
「うーん……残念ながら聞いた事はありませんね。多分、反人間派の勢力の一つに属しているとは思いますけど……」
「じゃあ、この人たち何族?」
「ああ。多分ルニア族だと思いますよ」
「ルニア族……。低級悪魔ね」
二人はブレットを無視して、勝手に話を進めている。
ブレットは、二人の会話に無理矢理割り込んだ。
「待て、ルニア族ってのは?」
「……チッ」
「おい、今舌打ちしただろう!」
「されたくなかったら、話の腰を折るなや……」
イザベラに鬼のような形相で睨まれ、ブレットは黙り込む。
赤く染まった目が、怖さを三割増にしている。
「ルニア族っていうのは、猫やら犬やら、とにかく動物に変異している悪魔の事です」
ベンジャミンはブレットの様子を見かねて、補足説明をしてくれた。
ベンジャミンの有り難さを痛感した。
「でも確か、奴らはそれほど強い魔力の保持者じゃなかったはず……。人一人を拘束する力なんてないはずよ」
「憶測でしかないんですが、複数人の魔力を集めて使用したか、他の協力者がいるんじゃないかと思われます。それに、奴らはいつも動物の格好をしているのに、人を模していますし……」
「そうなの。人を模しているのに、怪力だったから驚いたのよ。ルニア族なら納得だわ」
イザベラは何度も頷く。