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きょうどうせいかつ。
第16章 なんぎなことを するものだ。
「グルルル……」
「唸ったって、無駄よ」
この時のイザベラの気迫というか、なんと言うか、有無を言わせずことを進めようとしている無理矢理感は感服する限りで、ハリーもどうとも言えないらしく、狼の目をギラギラと光らせ、威嚇をするだけだった。
蛇に睨まれた蛙、とまではいわないが。
ハリーが折れるのも時間の問題だった。
「なんなら、ここで殺してあげましょうか?」
「な……っ!」
ブレットはびっくりして思わず声を上げてしまった。
イザベラがうるさいと言わんばかりの目で睨む。
「は……っ!はったりを──」
「そうかしら?」
イザベラは自信満々だ。
その自信は何処から湧くのやら。
「貴方は私の本気を見たことがあるのかしら。その気になれば、貴方の記憶を読んで、貴方の上司を遠隔的に殺害することくらい、寝ていても出来るわ」
後で聞いた話によると、はったりらしい。
「チッ……。そんなことは──」
「させないって?それこそ無理な話──。だって貴方は魔力がないのだもの」
「…………」
「ちなみに──貴方たちの行動を見張っていた鳥さんは、もう既に捕まえているわ」
「!!」
「そう怒らないでよ……。仕方ないじゃない、私は強欲なのだから」
「お前たちの……望みは何だ?」
「ふふっ。そんなの決まっているじゃない」
イザベラは不適な笑みを浮かべた。