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きょうどうせいかつ。
第16章 なんぎなことを するものだ。
「世界征服よ」
「はあ!?」
おい!聞いてないぞ!
この前の、人間と魔族が一緒に暮らせたらいいと思うのー、とかいう小学生みたいな願いはどうした!
「せ・か・い・せ・い・ふ・く、よ」
「そんな風に誇張されても……」
「何ようるさいわね」
「お前……言ってることめちゃくちゃだぞ」
「根本的には同じじゃない」
「だからって──」
「せ、世界征服──だと……」
「そこ!真に受けない!」
「私は何も間違っていないわ」
「何を意地張ってるんだよ……。ああ、もう、俺がやる!」
ブレットは、イザベラを押しのけ、ハリーの前に立った。
立って初めて感じる威圧感……。
「俺たちの願いは、魔族と人間の共存だ」
「…………」
「人間とよりよい世界を作りたい」
「……ふははっ。何を言うと思ったら、そのような世迷い言を──ふふっ……」
それからハリーは笑い出してしまった。
イザベラを横目で見たら、ほらー言わんこっちゃない、といいたげな笑みを浮かべていた。
お前は笑顔の種類が多い!
せめて十種類に統一しろ!
と、全く以てどうでもいい突っ込みが浮かんだ。