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きょうどうせいかつ。
第3章 ゆうしゃはきょうも ねむれない。
勇者が姫を好きになったのは、ずいぶんと昔の話だった。
子供の頃、一度だけ姫と話した事があったのだ。
──思えば、あの日から恋い焦がれていたのかもしれない。
旅の途中、人魚と恋に落ちたが、泡沫の夢のように、儚く消えてしまった。
勇者のその感情は、浮気とはまた違い、ただのひとときの恋という感覚だった。
もしかしたら、姫にあったとしても、まだあの人魚の事が好きなのかと思っていたが、やはり、いざ姫に会ってみると、思うものがあった。
でも、姫様は魔王にぞっこんだしな。
ああ、むかついてきた。
もやもやする。
それでいて、説得しろとか言うんだもんな、あの姫様。
全く、酷な人だ。
そんな事を考えながら、浅い眠りについた。