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きょうどうせいかつ。
第1章 ゆうしゃのたびは おわらない。
「え……」
「だからなんだと言っているのです。勇者様は魔王様が国の者を食していらっしゃるところをご覧になったことがあるのですか?不幸をお運びになられたお姿を、山を破壊なさったお姿をご覧になられたことがあるとおっしゃるのですか?」
「それは……。しかし、その魔王は──」
「否定の言葉ばかりおっしゃるようでしたら、失礼ながら、勇者様とはお話できません」
勇者をしっかりと見据えた姫の眼差しに、背筋がぞっとなる。
姫の言葉はすべて本気なのだとようやく理解できた勇者は、渋々姫と魔王に頭を下げ、冠っていた兜をとって、剣を自分の傍らに置いた。
「大変申し訳ございません。先ほどまでの失礼な物言い、お許しくださいませ」
「□□□□□□ □□□□□□□ □□□□□」
魔王は姫に耳打ちをした。姫は魔王の言葉がわかるのか、ふんふんと頷いていた。
「頭をお上げになってください。私も少し意固地になりすぎました。お許しください……」
勇者がちらっと姫を見ると、ドレスをちょこんとつまんで、丁寧にお辞儀していた。
申し訳ない気持ちになり、慌てて顔を上げる。
「姫様が謝られるようなことではございません。そのようなことをさせてしまっては、私が叱られてしまいます」
「よかった。よろしければお上がりください。私、旅路の話が聞きたいです」
「だからなんだと言っているのです。勇者様は魔王様が国の者を食していらっしゃるところをご覧になったことがあるのですか?不幸をお運びになられたお姿を、山を破壊なさったお姿をご覧になられたことがあるとおっしゃるのですか?」
「それは……。しかし、その魔王は──」
「否定の言葉ばかりおっしゃるようでしたら、失礼ながら、勇者様とはお話できません」
勇者をしっかりと見据えた姫の眼差しに、背筋がぞっとなる。
姫の言葉はすべて本気なのだとようやく理解できた勇者は、渋々姫と魔王に頭を下げ、冠っていた兜をとって、剣を自分の傍らに置いた。
「大変申し訳ございません。先ほどまでの失礼な物言い、お許しくださいませ」
「□□□□□□ □□□□□□□ □□□□□」
魔王は姫に耳打ちをした。姫は魔王の言葉がわかるのか、ふんふんと頷いていた。
「頭をお上げになってください。私も少し意固地になりすぎました。お許しください……」
勇者がちらっと姫を見ると、ドレスをちょこんとつまんで、丁寧にお辞儀していた。
申し訳ない気持ちになり、慌てて顔を上げる。
「姫様が謝られるようなことではございません。そのようなことをさせてしまっては、私が叱られてしまいます」
「よかった。よろしければお上がりください。私、旅路の話が聞きたいです」