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きょうどうせいかつ。
第7章 そしてふたたび よるになる。
『痛むのか?』
「えっ……」
『また泣いている……』
魔王は空いている手で彼女を引き寄せ、ぎゅっと抱きしめた。
魔王の手を放し、魔王に身体を預ける。
魔王はそっとジャケットを脱ぎ、彼女の肩にかけた。
「平気。すこし、ヒリヒリするけれど」
トクン、トクンと、魔王の鼓動が聞こえる。
いつもより、少し速く感じた。
それが何だか嬉しかった。
──ほら、人間と何も変わらないよ。
こうやって、心臓は動いているし、息だってしている。
ただ、力を持ちすぎてしまっただけなんだよ。
それなのに、嫌われるなんて悲しいね。
ああ、燃やされたのが、私で良かった。
憎まれたのが私で良かった。
あなたがもしも、あんな目にあってしまったと思うと、あんなことを言われてしまったと思うと、とても悲しい。
だから私で良かった。
あなたがひどい目にあわなくって安心した。
──良かった。