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きょうどうせいかつ。
第9章 いつまでたっても はじまらない。

「呼んでこよか?」

「エッ……」

「そんなビックリせんでも……。別に何もしんって。変な奴なんは保証するけどな」

「お前よりもか?」

「それ、どういう意味やねん」

部屋を見てみると、ダミアンがいつの間にかいなくなっていた。
クリスは相変わらずにやにやしている。

すると、突然、とんとんとノックの音がした。

「どーぞ」

クリスがゆるい感じで返事をする。
ブレットもクリスも、ダミアンが帰ってきたのだと思っていたのだが、全く想像だにしていない人がやって来た。

「不幸だ……。この世界には不幸が溢れている……」

部屋に入って早々、そんなことをいい始める男。

「あ、どーも。この人の言ってることは気にしなくっていいですよー」

のんきな声を出しながら、にやにやしている男。

そんな二人組だった。

「どうしてこの世界には不幸で満ち溢れているんだ。幸せとは何だ?不幸とはなんだ?なあ、ベンジャミン、そう思わないか?」

「あークリス、こんなとこにいたんスねー」

「よー。五時間ぶりー」

「ああ、俺は今無視されてしまった。無……。無はいい。幸せでも不幸でもない。そうだ、この世界が無で満ちたらみんなが幸せになる。いや、待てよ……。皆が無になるのだから、それは幸せでも不幸でもなくなると言うことだ。つまり、あれだ。死ぬってことだー!」

「あ、そっちの方が今の勇者さんっスか?こんにたはー。ベンジャミンっス」

「……え、ああ」

「ああ、やないやろ?自己紹介せな?こいつ、ブレットっちゅーねん」

「またも無視されてしまった……。ところで俺は殺し屋という職業なのだが、この職業を利用して、今ここにいる全員を殺してもいいのだろうか?何故なら、今俺は無視をされてしまっているからだ!俺は怒っている。めらめらと燃えている!」

「ああ、この人っスか?無視してください。めんどくさいので」

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