この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
きょうどうせいかつ。
第9章 いつまでたっても はじまらない。
「呼んでこよか?」
「エッ……」
「そんなビックリせんでも……。別に何もしんって。変な奴なんは保証するけどな」
「お前よりもか?」
「それ、どういう意味やねん」
部屋を見てみると、ダミアンがいつの間にかいなくなっていた。
クリスは相変わらずにやにやしている。
すると、突然、とんとんとノックの音がした。
「どーぞ」
クリスがゆるい感じで返事をする。
ブレットもクリスも、ダミアンが帰ってきたのだと思っていたのだが、全く想像だにしていない人がやって来た。
「不幸だ……。この世界には不幸が溢れている……」
部屋に入って早々、そんなことをいい始める男。
「あ、どーも。この人の言ってることは気にしなくっていいですよー」
のんきな声を出しながら、にやにやしている男。
そんな二人組だった。
「どうしてこの世界には不幸で満ち溢れているんだ。幸せとは何だ?不幸とはなんだ?なあ、ベンジャミン、そう思わないか?」
「あークリス、こんなとこにいたんスねー」
「よー。五時間ぶりー」
「ああ、俺は今無視されてしまった。無……。無はいい。幸せでも不幸でもない。そうだ、この世界が無で満ちたらみんなが幸せになる。いや、待てよ……。皆が無になるのだから、それは幸せでも不幸でもなくなると言うことだ。つまり、あれだ。死ぬってことだー!」
「あ、そっちの方が今の勇者さんっスか?こんにたはー。ベンジャミンっス」
「……え、ああ」
「ああ、やないやろ?自己紹介せな?こいつ、ブレットっちゅーねん」
「またも無視されてしまった……。ところで俺は殺し屋という職業なのだが、この職業を利用して、今ここにいる全員を殺してもいいのだろうか?何故なら、今俺は無視をされてしまっているからだ!俺は怒っている。めらめらと燃えている!」
「ああ、この人っスか?無視してください。めんどくさいので」