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きょうどうせいかつ。
第10章 ゆうしゃはふたたび だまされた。
「さて、雑談は後にして本題に入ろう」
どんどん横道にそれていった会話を終わらせたのは、意外なことにデュークだった。
ブレットは少し落ち着いたらしく、デュークの言葉にこくこくとうなずいた。
「……一番会話をそらしていたのはあんたでしょう」
余計なことは言わなくっていいのに、ベンジャミンはそうやって突っ込んでしまったため、デュークに頭を殴られていた。
「何か聞きたいことはあるか」
不幸だ不幸だと言っているときはあんなにも情緒不安定だったはずなのに、今は妙にしっかりしている。
しかし、このつかの間の落ち着きは、自分が不幸だと認識してしまった時点で、容易に崩壊してしまうという事実を知っているのは、長年彼に連れ添ってきたベンジャミン、ただ一人だった。
「聞きたいことは、山ほどある……」
さっきまで半泣き状態だったブレットは、申し訳なさそうに目を伏せて呟いた。
「取り乱して、殴ってしまって、申し訳ない」
「……ただの小僧だと思っていたが、謝罪もできるのだな」
「デュークさん、妙な挑発しないでくださいよ……。こっちもすみませんね、いきなり死んだりして」
「──それなんです!どうして生きているんですか?俺は完全に死んでいたように見えた」
どうやらブレットは、ベンジャミンには敬語を使い、師匠であるデュークはぞんざいに扱うことを決めたようだ。
そんなことを、クリスは三人の様子を見ながら感じ取った。
「僕たち二人は悪魔ですから」
どんどん横道にそれていった会話を終わらせたのは、意外なことにデュークだった。
ブレットは少し落ち着いたらしく、デュークの言葉にこくこくとうなずいた。
「……一番会話をそらしていたのはあんたでしょう」
余計なことは言わなくっていいのに、ベンジャミンはそうやって突っ込んでしまったため、デュークに頭を殴られていた。
「何か聞きたいことはあるか」
不幸だ不幸だと言っているときはあんなにも情緒不安定だったはずなのに、今は妙にしっかりしている。
しかし、このつかの間の落ち着きは、自分が不幸だと認識してしまった時点で、容易に崩壊してしまうという事実を知っているのは、長年彼に連れ添ってきたベンジャミン、ただ一人だった。
「聞きたいことは、山ほどある……」
さっきまで半泣き状態だったブレットは、申し訳なさそうに目を伏せて呟いた。
「取り乱して、殴ってしまって、申し訳ない」
「……ただの小僧だと思っていたが、謝罪もできるのだな」
「デュークさん、妙な挑発しないでくださいよ……。こっちもすみませんね、いきなり死んだりして」
「──それなんです!どうして生きているんですか?俺は完全に死んでいたように見えた」
どうやらブレットは、ベンジャミンには敬語を使い、師匠であるデュークはぞんざいに扱うことを決めたようだ。
そんなことを、クリスは三人の様子を見ながら感じ取った。
「僕たち二人は悪魔ですから」