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きょうどうせいかつ。
第10章 ゆうしゃはふたたび だまされた。
「…………」
「まあ、種族は違いますけどね」
「こいつは何も出来ない三流だがな」
「でも死にませんよー」
あくまでも軽い口調で、ちょっとした雑談の延長線上にあるかのような、どうでもいいことを話しているかのように、自分が悪魔だと告白する二人に、ブレットは少しだけ警戒心を抱いた。
「何で死なないんですか?」
「そうっすね……。簡単に言うと不死身だから、なんですけど。それじゃあ納得しれくれなさそうですから、一から話します」
「めんどくさい」
「あんたは何も話さないでしょう!」
渾身の力を込めた突っ込みだったためか、ベンジャミンは殴られずにすんだ。
胸を撫で下ろす。
「──僕たちの種族は戦いを好まず、知識欲に特化した悪魔です。その為、僕らが住んでいた村にはたくさんの図書館、博物館、研究所等、学問に励むための施設がたくさん備えられていました」
デュークとブレットは何も言わず、ベンジャミンの話に耳を傾けた。
「日々研究に没頭し、他の悪魔とは比べ物にならないくらい知識を豊富に蓄えた僕たちは、その知識を永遠に受け継いでいくため、そして、外敵に知られないようにするため、不死の力を手に入れました」
「外敵?」
「はい。知識が豊富ということは、知らなくてもいいことを知ってしまったということです。その為、その知識を狙って、僕らを襲ってくる種族も存在しました。そこで考えたのが、自らの細胞を変化させて、不死の力を手に入れることでした」
その不死の力を手にした後遺症で、魔力がほとんど使えないようになった、とベンジャミンは続けた。