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きょうどうせいかつ。
第10章 ゆうしゃはふたたび だまされた。
ダミアンが不死身なんて、正直信じられなかった。
魔王を倒しに来たはずなのに、今までの苦労が水の泡だと思うと、血の気がサーっと引いていくのがわかる。
嘘だ。
そんな、じゃあ俺はなんのために……。
ブレットの顔に絶望が写った。
じゃあ、あの伝説の剣は?
今までの旅はどうなるんだ。
そういえば──
今日ナイフを指した場所は、どうなっているのだろう。
「どうしたんすか?」
はっとして前を見ると、ベンジャミンが不安そうにブレットを見ていた。
慌てて首を振ると、少し首をかしげられたが、何とかごまかせたようだ。
目だけを動かしてダミアンを探す。
どうやら、先程イザベラが来た際、部屋に戻ってしまったようだ。
確かめてどうするのだとは思うのだが、どうしても気になった。
よく考えてみると、クリスはどう思ったのだろうか。
もう、死んだことになっているクリス。
そんな彼がどう考えているかがとても気になった。