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きょうどうせいかつ。
第11章 ひゃっかじてんは かんがえた。
「いや……、知らない顔があるなーと」
「ああ、ニーナとセシリアのことか」
そう言って、クリスは二人を見た。
イザベラと話していて、非常に楽しそうだ。
「ブロンドの子がニーナ。黒髪の嬢ちゃんがセシリアやねんけど……。まあ、一回話しかけてみ?」
「何でだよ」
「ええから、話しかけてみって」
クリスにいわれ、渋々二人の元へいくブレット。
その様子を男どもがにやにやしながら見ていた。
「あのー……」
「はい、何でしょう?」
ブレットに応じたのは、ニーナの方だった。にっこりと笑顔で応じてくれたため、少し安心した。しかし、セシリアは、じーっとブレットを見ている。
何だかキャメロンさんみたいだな。
「えーっと……。こんにちは。ブレット、です」
「あら、あなたが勇者さん?こんにちわ、ニーナです。こっちの黙りしている子が、セシリア。セシリア、挨拶は?」
「……こんにちは」
セシリアは、ぺこりとお辞儀をした。
ただ、お辞儀をしている最中も、目線はブレットに注がれたままだった。
かなり怖いぞ……それ。
「ごめんなさいね。この子、人魚なんだけど、愛想がなくって……」
「え?人魚?この子が人魚なんですか?」
「え……ええ。人魚、よね、セシリア」
「…………」
「?」
「え、セシリア、返事してよ」
「…………………」
「ねえ……?へ、返事……」
「…………………………」
「せ、セシリ……、返事……う、うう……わあああああああああああ!」
「え!?」