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きょうどうせいかつ。
第11章 ひゃっかじてんは かんがえた。
「!!?」
「なんでえ……なんでへんじ、して、くれな……!」
ニーナは急に泣き出した。
ぽろぽろと大粒の涙が、彼女の頬に落ち、目を真っ赤にしながら、一目を全く気にせず、気が狂ったように大声を上げて泣き続けている。
「うっぐ……へんじー!! へんじぐらいして……よ」
もう、パニック状態といっていいだろう。目も顔も真っ赤になった彼女は、赤ん坊も真っ青の鳴き声をあげていた。
鳴き声というより金切り声といった方が正しいだろう。
ヒステリックの域を超えている。
正直、耳を塞ぎたくなる。
ふと、回りの様子が気になって、見渡してみると、どうやら慣れっこらしく、何もない素振りをしていた。
「わあああああああああああああああああ!!」
声はどんどん大きくなってくる。骨に直接響いてくるような声に、頭がくらくらする。
いつもはうるさいと注意するイザベラは、のんびりと、紅茶を飲んでいた。
ゆったりくつろいでる状態じゃねえよ!
「へんじいー!! へんじしてよお!!」
「何?」
セリシアが、その一言を発すると、ニーナは何事もなかったように笑顔に戻り、あははっと笑っていた。
何だったんだ……?
「すごいでしょう?ニーナさんの魔力」
ブレットの頭の中を読んだかのように、ベンジャミンが嬉しそうに解答を教えてくれた。
「魔力?」
「ええ。ニーナ様は魔力を声に変換して、対象の人にのみ、聞こえるようにしているのですよ」
今度はサラが答えた。
「何のために?」
「さあ」「さあ?」
二人は、同じように首を傾げながら、同じ言葉を口にした。