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紅蓮の月~ゆめや~
第12章 第三話 【流星】 エピローグ
エピローグ
「―大丈夫ですか? お客様?」
気遣わしげに問う声音に、美都の意識は唐突に覚醒した。徐々に浮上してくるような感覚で意識が冴えてきて、ゆっくりと眼を開く。
美都は自分が今どこにいるのか理解できなかった。やっと兼家と再会できたときの美耶子は浅い微睡みの中にいた。あのときの美耶子の意識(こころ)もこんな風に目覚めたのだろうかと考え、ハッとした。
美耶子? 美耶子って誰の名前だろう?
ここは一体―。
刹那、先刻見た「夢」のすべてが映画のフィルムを巻き戻すように鮮やかに次々と蘇ってゆく。あれほど確かな現実感を伴った「夢」なのに、すべてのものが一瞬にして消え去っていた。
「―大丈夫ですか? お客様?」
気遣わしげに問う声音に、美都の意識は唐突に覚醒した。徐々に浮上してくるような感覚で意識が冴えてきて、ゆっくりと眼を開く。
美都は自分が今どこにいるのか理解できなかった。やっと兼家と再会できたときの美耶子は浅い微睡みの中にいた。あのときの美耶子の意識(こころ)もこんな風に目覚めたのだろうかと考え、ハッとした。
美耶子? 美耶子って誰の名前だろう?
ここは一体―。
刹那、先刻見た「夢」のすべてが映画のフィルムを巻き戻すように鮮やかに次々と蘇ってゆく。あれほど確かな現実感を伴った「夢」なのに、すべてのものが一瞬にして消え去っていた。