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紅蓮の月~ゆめや~
第12章 第三話 【流星】 エピローグ
 長い葛藤の日々を経て、美耶子は晩年になり漸く静かな諦めの境地へと足を踏み入れたのだ。それは恐らく、長く苦しい彼女なりの愛の軌跡だったに違いない。
 美都もまた不器用だった。美耶子のように自分の気持ちを上手く良人に伝えられないで、余計に英輔を傷つけ、自分もまた傷ついている。 
―もう一度、話し合ってみよう。
 美都は思った。自分の中に英輔への愛がある限り、やり直すことはできるはずだ。うまくいくかは判らないけれど、自分なりに力を尽くしてみようと思う。
 そして、いつか歳を取って長い自分の歩いてきた道を振り返った時、美耶子のように静かな凪いだ心持ちになることができたなら―。
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