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紅蓮の月~ゆめや~
第12章 第三話 【流星】 エピローグ
「夢」の中で美都は知った。兼家の妻として生きた美耶子はあの後も良人の奔放な女性関係には悩まされ続けた。奇しくも「夢」の中で美耶子が想いを巡らせたとおり、美耶子は兼家という男を中心とした大きな愛欲の渦に巻き込まれてゆくことになる。
あの翌年、美耶子は兼家の子道綱を生む。だが、美耶子が願ったように、兼家は美耶子一人を守り続けることはなかった。それゆえに美耶子は兼家が愛したあまたの女性たちの間で心の葛藤に苦しんだ。良人への愛と憎しみの狭間で大きく揺れ動くことになる。
いつしか美耶子は一粒種道綱の成長と行く末だけを頼りに日々を過ごすようになり、愛児の成長と共に兼家への激しいまでの愛は次第に淋しい諦めと落ち着きに帰ってゆく。
あの翌年、美耶子は兼家の子道綱を生む。だが、美耶子が願ったように、兼家は美耶子一人を守り続けることはなかった。それゆえに美耶子は兼家が愛したあまたの女性たちの間で心の葛藤に苦しんだ。良人への愛と憎しみの狭間で大きく揺れ動くことになる。
いつしか美耶子は一粒種道綱の成長と行く末だけを頼りに日々を過ごすようになり、愛児の成長と共に兼家への激しいまでの愛は次第に淋しい諦めと落ち着きに帰ってゆく。