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紅蓮の月~ゆめや~
第14章 最終話 【薄花桜】 一
 が、流石に哀れに思った父親は店にある傷物や半端物の布地を幾つか持たせてくれた。店は洛内でも指折りの大店(おおだな)で置いてある品も皆一級品ばかりであったけれど、仕入れのときによくよく吟味しても、中には織が悪くて、商品価値のなさそうなものも紛れ込んでいた。
 たったそれだけが小文への父親からの餞別であった。小文は治助と共に家を出て、都の外れに小さな仕舞屋(しもたや)を借りた。元々器用な小文は仕立ての腕もお針子並である。父親から貰った布地を着物に仕立て、それを売りに出したのだ。それが古着屋「ゆめや」の始まりだった。小文が仕立てた着物はすぐに売れた。その着物を買った人の中には大店の内儀もいて、古着があるのだが買ってくれぬかと言う。試しに持参した着物を見ると、古着と呼ぶには相応しくないような、まだまだ着れるものばかりであった。
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