この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
紅蓮の月~ゆめや~
第16章 最終話 【薄花桜】 エピローグ
エピローグ
彼女は長い回想から解き放たれ、小さな吐息をついた。静まり返った店の中は相変わらず雪明かりに淡く照らされている。
その時、柱時計が鳴り出した。わずかに愕いて背後を振り返ると、時計の針は丁度午前零時を指していた。
彼女は、ふと窓の外、白い雪の幕の向こう側に人影を見つけて愕然とした。
懐かしい笑顔。何より大切なひとがそこにいた。病で亡くなる間際ではなく、元気そのものだった頃の良人の顔だ。
彼女の白い頬を涙がひとすじつたい落ちる。
「お前さん―」
彼女は長い回想から解き放たれ、小さな吐息をついた。静まり返った店の中は相変わらず雪明かりに淡く照らされている。
その時、柱時計が鳴り出した。わずかに愕いて背後を振り返ると、時計の針は丁度午前零時を指していた。
彼女は、ふと窓の外、白い雪の幕の向こう側に人影を見つけて愕然とした。
懐かしい笑顔。何より大切なひとがそこにいた。病で亡くなる間際ではなく、元気そのものだった頃の良人の顔だ。
彼女の白い頬を涙がひとすじつたい落ちる。
「お前さん―」